日本語訳聖書


目次

1、新共同訳聖書(日本聖書協会)

2、新改訳聖書2017(新日本聖書刊行会)

3、聖書協会共同訳(日本聖書協会)

4、リビングバイブル(いのちのことば社)

5、口語訳聖書(日本聖書協会)

6、フランシスコ会訳

7、ネストレ・アーラント(ギリシャ語新約聖書、Novum Testamentum Graece、略称NA)

8、ギリシャ語新約聖書、第 5 改訂版  The Greek New Testament, Fifth Revised Edition (略称UBS5)

9、ビブリア・ヘブライカ・シュトゥットガルテンシア(略称BHS)、ヘブライ語旧約聖書

10、文語訳聖書(日本聖書協会)


1、新共同訳(The Bible, The New Interconfessional Translation)

1968年、聖書協会世界連盟(United Bible Societies)とローマ・カトリック教会の間で協議が成立。プロテスタントとカトリックが同一の聖書を用いるための聖書翻訳の「標準原則」がまとめられました。日本では1970年、「共同訳聖書実行委員会」が組織されました。その流れをくみ、新共同訳聖書(The Bible, The New Interconfessional Translation

)は、カトリックとプロテスタント教会の共同翻訳で、1987年に日本聖書協会より出版されました。現在カトリック教会、日本キリスト教団、ルーテル教会、日本聖公会など、広く礼拝で用いられています。キリスト新聞社のHPには、2005年の調査で7割の教会で新共同訳が用いられている、と書いてありました。ちなみに、新共同訳聖書は、無料聖書アプリYouversionより、読むことができます。


出典

https://www.bible.or.jp/know/know20.html

https://www.bible.or.jp/

 


2、新改訳(2017)(New Japanese Bible)

日本聖書協会から出版された口語訳聖書は、やや自由主義神学(リベラル)に片寄ったとされ、福音派の立場から疑問が生じました。そのため福音派の日本プロテスタント聖書信仰同盟 は代表を送り、説明と訂正を求めましたが、日本聖書協会から説明はありませんでした。

1961年11月に新改訳聖書刊行協力会が結成されました。新改訳聖書は、1960年代の聖書信仰運動の高まりとともに「聖書は誤りのない神のことば」と信じる福音主義に立つ諸教派、諸教会、諸団体の祈りと協力によって設立された「新改訳聖書刊行会」によって、翻訳・編集の作業が進められ、1970年に初版を刊行しました。広く諸教会の礼拝で使われる公用聖書として、また個人の信仰の養いのためにも、多くの方々に親しまれ用いられてきました。その後、第2版(1978年)で若干の訂正を、第3版(2003年)では差別語・不快語の見直しを中心とした小改訂を行い、2017年秋に全面改訂による新しい翻訳聖書、「聖書 新改訳2017」を刊行いたしました。「聖書 新改訳2017」どう変わったのか?(詳細はこちらからみれます。PDF

いのちのことば社のHPには、新日本聖書刊行会について以下のように書かれています。

新改訳聖書の著作権所有者であった「一般社団法人新改訳聖書刊行会」と合併し、新改訳聖書の著作権を継承しました。なお、新改訳聖書の頒布の責任を担ってきた「日本聖書刊行会」は、2009年9月をもって解散しました。現在は一般社団法人新日本聖書刊行会が、翻訳・刊行・事業の主体となり、出版社・いのちのことば社との契約関係の中で編集・出版の作業を進めています。


出典

いのちのことば社HP

wikipedia

キリスト新聞社

『聖書 新改訳2017』全体約3万節の9割以上を変更

新改訳聖書本文検索

 


3、聖書協会共同訳(Japan Bible Society Interconfessional Version)

次世代の標準となる日本語訳聖書を目指した新しい翻訳、「聖書協会共同訳」。実質約9年の翻訳期間を経て2018年12月に発行。1987年発行の新共同訳に続き今回も、カトリックとプロテスタント諸教会の支援と協力による共同の翻訳事業です。そして聖書協会世界連盟(United Bible Societies)という世界最大の聖書翻訳のネットワークによる研究成果と、国内の優秀な聖書学者・日本語の専門家によって翻訳されました。(Amazonより転載しました)。

底本としてはキリスト新聞社には

旧約がBHS(ビブリア・ヘブライカ・シュトットガルテンシア)、分冊が出版されていればBHQ(ビブリア・ヘブライカ・クインタ)、新約がネストレ28版に基づくUBS第5版(「ギリシア語新約聖書」聖書協会世界連盟編)、そして続編がゲッティンゲン版(「ギリシア語旧約聖書」ゲッティンゲン研究所)です。」と書かれていました。

お、日本聖書協会のHPから『聖書協会共同訳』を、発行の経緯、 翻訳プロセス、翻訳の特徴の3つの観点から紹介されているPDFを読むことができます。

また、日本聖書協会からは、聖書協会共同訳の本文を検索できます。

キリスト新聞社には、以下のように書かれていました。

*諮問会議に議員を派遣した18教派・団体

 ウェスレアン・ホーリネス教団、キリスト教学校教育同盟、沖縄バプテスト連盟、基督兄弟団、救世軍、在日大韓基督教会、聖イエス会、日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団、日本カトリック司教協議会、日本キリスト改革派教会、日本キリスト教会、日本ナザレン教団、日本バプテスト同盟、日本バプテスト連盟、日本ルーテル教団、日本基督教団、日本聖公会、日本福音ルーテル教会


4、リビングバイブル(The Living Bible, TLB)

リビングバイブル(wikipedia)は、アメリカのケネス・テスラー(Kenneth N Taylor1917~2005)によって、1971年に制作された聖書の意訳です。テスラーは、ムーディー・バイブル・インスティテュートの出版社であるムーディー・プレスに雇われたバプテスト信徒でした。「わが子に理解できることばで、みことばを伝えたい」という、アメリカのひとりのクリスチャン編集者の思いから、リビングバイブルは生まれました。テスラーは、アメリカ標準訳(American Standard Version)から、子どもたちにも伝わるような言葉で意訳しました。
Wikipediaには、テスラーはインタビューで次のように答えています。
「子供たちはリビングバイブルを作るための主なインスピレーションの1つでした。当時使用していた欽定訳聖書、または改訂標準訳聖書を理解するのが困難だったため、家族の献身は大変でした。、後で使用しました。子供たちが理解していることを確認するために私はよく質問をし、彼らは肩をすくめました。彼らはその箇所が何について話しているのかを知りませんでした。だから私はそれを説明します。私は彼らのためにそれを言い換えて、彼らに考えを与えます。ある日の午後、私は、その夜の朗読を、私たちの献身的な時間の間にその場で行うのではなく、考えて考えて書き出す必要があることに突然気づきました。それで私はそうしました、そしてその夜家族への章を読んでエキサイティングな結果を出しました—彼らは私が尋ねたすべての質問に対する答えを知っていました!」

1996年にTyndaleHouseは、New Living Translation(NLT)というタイトルで聖書の新しい英語訳をリリースしました。その前身であるリビングバイブルは言い換えでしたが、NLTは90人のヘブライ語とギリシャ語の学者のチームによって作成された翻訳です。NLTの著作権はTyndaleHouse Foundationに帰属します。つまり、聖書の販売による利益のすべての部分が、財団の慈善助成金に充てられました。

2016年、Tyndale House Publishers、インド聖書委員会のカトリック司教会議、ATC Publishers Bengaluru、および12人の聖書学者が協力してNew Living Translation CatholicEditionを作成しました。


テスラーはまた、1962年にティンダルハウス(Tyndale House)という出版社を設立しています。テスラーは、聖書を英語に翻訳したことで火刑に処された16世紀の改革者、ウィリアムティンダルにちなんで、彼の新しい会社をティンダルハウス出版社と名付けました。
なお聖書アプリ、Youversionでもリビングバイブルを読むことができます。英語圏では、日本のリビングバイブルを、日本語現代聖書(Japanese Contemporary Bible)と呼んでいるみたいです。


出典
https://www.newlifeministries.jp/bible_variation/


https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/?p=9080


https://www.nishikobe-kyokai.or.jp/bible/livingbible.htm


https://en.m.wikipedia.org/wiki/The_Living_Bible


5、口語訳(Bible, Colloquial Japanese)

1955年に、日本聖書協会から出版された聖書です。英語名はBible, Colloquial Japanese
です。
新約聖書は、当時最新のギリシャ語底本であったネストレ21版(ドイツ聖書協会1952年)を参照にしています。
旧約聖書は、聖書ヘブル語校訂本『ビブリア・ヘブライカ』第3版(ヴュルンテンベルク聖書協会1937年)を底本にしています。
Revised Standard Version (RSV)を、ベースにして翻訳されていると、アメリカのWikipediaに書いてありました。1954年に新約聖書が、1955年に旧約聖書が出版されました。1951年4月、アメリカ、イギリス聖書協会の協力を得て、翻訳が始まりました。
日本の多くの出版物で当用漢字や新仮名遣いが採用されはじめた時代で、聖書も口語での翻訳がなされました。
2005年に著作権保護期間が終了し、HPやブログの聖書引用は、口語訳聖書からしている方が増えてきました。


出典
https://en.m.wikipedia.org/wiki/Bible_translations_into_Japanese


6、フランシスコ会訳

カトリック教会では、ラテン語からの翻訳によるバルバロ訳聖書がありました。しかし、これは原典のヘブライ語やギリシア語による翻訳ではなく、また個人訳でした。キリスト新聞社には、次のように書いてあります。


「当時、カトリックの日本語訳聖書としては、エミール・ラゲ神父(パリ外国宣教会)による文語訳聖書と、フェデリコ・バルバロ神父(サレジオ会)による口語訳新約聖書が存在していたが、どちらもラテン語のウルガタ訳を底本としたものであった。」


フランシスコ会訳は、フランシスコ会聖書研究所によってなされた、ヘブライ語、ギリシャ語から翻訳している聖書です。Wikipediaによると、「1955年に開催された全国教区長会議においてカトリック公認の日本語訳聖書を作る事が決定され、1956年にフランシスコ会の聖書研究所において聖書翻訳の事業が開始された」と書いてありました。

1987年にはカトリック、プロテスタントの共同翻訳である新共同訳聖書が出版社をされ、カトリック教会公認の聖書ができました。しかし、フランシスコ会訳もすすめられ、1958年から2002年(45年かかった)に出された分冊をひとつにした聖書が、2011年に出版されました。


出典

http://www.kirishin.com/2011/09/17/37707/


https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%82%B3%E4%BC%9A%E8%A8%B3%E8%81%96%E6%9B%B8


ギリシア語聖書

7、ネストレ・アーラント(Nestle-Aland)、Novum Testamentum Graece

ネストレ・アーラント(Nestle-Aland)は、コイネーギリシア語新約聖書テキストです。ラテン語で新約聖書をあらわす、Novum Testamentum Graece(ノーウム・テスタメントゥム・グラエチェ)が正式名称です。編集者の名前から、ネストレ・アーラント(Nestle-Aland)ともよばれます。

新しい聖書写本の発見や研究などにより、絶えず新しくなっています。

wikipediaには

「現代日本語訳の新共同訳や新改訳などの新約聖書の翻訳元となっている」と説明されています。

Novum Testamentum Graeceは、1898年に、ドイツでエベルハルト・ネストレによって編集されました。最新版は、2012年に出版されたNA28版で、ドイツ聖書協会から出版されています。「NA」という略称で呼ばれ、28版だと「NA28」と呼ばれます。

HPには「国際的で編集委員会は現在、第29版を準備しています」と書かれていました。 英語のwikipediaには、2024年に29版が出版予定と書かれていました。


出典

日本語のwikipediaでの説明


英語wikipediaのNovum Testamentum Graeceの説明。


www.academic-bible.com の公式 NA28 テキスト


https://www.academic-bible.com/en/bible-society-and-biblical-studies/scholarly-editions/greek-new-testament/nestle-aland/


8、ギリシャ語新約聖書、第 5 改訂版 (UBS5) The Greek New Testament, Fifth Revised Edition (UBS5)

英語のクリスチャンブックによる説明です。

Google翻訳です。

ネストレ(Nestle-Aland Novum Testamentum Graece)は学術研究用に設計されていますが、Greek New Testament, 5th Revised Edition(UBS5) は翻訳者と学生向けに設計されています。

NA28(ネストレ28版)と同様、新約聖書の原文の初版です。これには NA28 と同じギリシャ語のテキストが含まれていますが、句読点とパラグラフの細部が異なるだけです。


関連リンク

ドイツ聖書協会、オンラインUBS5テキスト


テクストゥス・レセプトゥス

ラテン語でTextus Receptusとよばれ、カトリック司祭であるデジデリウス・エラスムス(wikipedia)たちによって校訂・印刷され出版された最初のギリシア語新約聖書(1516年)。ウィリアム・ティンダルの英訳聖書、ルターのドイツ語訳聖書(ルター聖書、wikipedia)、日本語の文語訳聖書の底本である。

wikipediaには、「現代の聖書学者たちはより正確なギリシア語新約聖書テキストを確定するためにテクストゥス・レセプトゥスを参照することはない。」と説明しています。


参照
日本語Wikipedia



ヘブライ語

9、ビブリア・ヘブライカ・シュトゥットガルテンシア(略称BHS)、ヘブライ語旧約聖書

wikipedia(日本語、英語)の説明


・ドイツ聖書協会(German Bible Society)から発行され、日本では日本聖書協会より出版されています。


amazonの説明をgoogle翻訳しました。

Biblia Hebraica Stuttgartensia: A Reader's Edition 

https://amzn.asia/d/bdopqUC


Biblia Hebraica Stuttgartensia (BHS) は、ヘブライ語聖書の決定版として知られています。 ヘブライ語とアラム語の聖書の信頼できる版として広く認められており、学者の間で最も広く使用されている原語版です。これは、レニングラード写本に基づく最初の聖書である、ルドルフ・キッテル(Rudolf Kittel)が編集した Biblia Hebraica の第3版の改訂版です。 

レニングラード写本は、現存する最古の完全なヘブライ語聖書です。 もともとは 1968 年から 1976 年にかけて分割して登場し、1977 年に最初の単巻版が出版されました。 それ以来、何度も再版されています。 

Biblia Hebraica Stuttgartensia (BHS), 2020 Compact Hardcover Edition の内容は標準版と同じです(ラテン語の重要な装置と多言語の序文を含む)。 しかし、ヘブライ語の学生が持ち運び、使用するのに非常に便利なサイズです。 そのポータブルなサイズは、太字でクリアなフォントを保持するテキストと重要な装置の両方の可読性を決して損なうことはありません。 


10、文語訳

Amazonと日本聖書協会の説明より


1887(明治20)年完成。

新約聖書はヘボン、S.R.ブラウンを中心とする「翻訳委員社中」が、1874(明治7)年から翻訳を始め、分冊で順次出版し、1880(明治13)年に完成した。

一方、旧約聖書の翻訳は、1878(明治11)年に「聖書常置委員会」を組織し、本格的に翻訳が開始された。翻訳には、欽定訳英語聖書、ブリッジマン・カルバートソン漢訳聖書などが参考にされた。

1887(明治20)年全部の翻訳が完成し、翌年、歴史的な完成感謝の祝賀会が東京・築地の新栄教会で開催された。

米国、英国、スコットランドの聖書協会の経済的助力による。これが、「明治訳」(元訳)と言われるもので、その旧約聖書は、今でも「文語訳」として用いられている。

「明治訳」の新約聖書はその後改訳されて、1917(大正6)年10月に出版された。大正改訳として有名である。


出典

和訳聖書の歴史(日本聖書協会)