家庭内暴力(子から親への暴力)


家族だけで抱えこまない

子供から親への暴力を考えます。なお親から子どもへの暴力は虐待です。虐待は命の危険性があります。189に電話したり(外部サイト)、虐待する人から子どもと距離をとったり、専門家からアドバイスをうけて命を守る行動をお願いいたします。


親の価値観

親自身がある固定観念に縛られていることがあります。それは、

「学校にいかなければならない」

「仕事をしてないのは甘え」

など、色々あります。

本人は好きで休んでいるわけではありません。それなのに、親は「早く仕事をしろ」とおいつめることはないでしょうか。親が全部悪いわけではありません。しかしひとつの引き金になっていることはあると思います。

私も母の腕を、学校にいかなくなって叩いていました。それは、親が

「学校にいかなければならない」

といった時だったと思います。

行けない自分を責めて苦しんでいるのに、

「どうして私の気持ちが

わかってくれないのだろう」

という苦しみからだったと思います。


※参考動画


聞く

私の場合、いつからか親はじっくり話を聞いてくれるようになりました。学校にいかなくても、ありのままの私を大切にしてくれました。

そして、私は聖書や、遠藤周作さんや、三浦綾子さんの本を読むようになりました。

読書は生きることに意味を見いだせない私にとって、生きる元気を与えてくれました。遠藤周作の『聖書なかの女性たち』や『イエスの生涯』は、悲しみに寄り添って一緒に生きてくださるイエスの愛を感じました。

イエスは遠い空の上にいるのではなく、私たちの悲しみをいまも背負い、おんぶしてくださる方であると感じました。


わたしはあなたたちの老いる日まで 白髪になるまで、背負って行こう。 わたしはあなたたちを造った。 わたしが担い、背負い、救い出す。

イザヤ書 46:4 新共同訳

親が相談できる場所をもっておくことも大切だと思います。母はクリスチャンでしたが、いつも同じ教会のクリスチャンの友人に、泣きながら電話していました。その友人も、不登校の子どもがいました。母は、相談すると泣き止み、ホッとした顔になりました。私もなんだかホッとして、教会に行ってみようと思いました。

家族の問題は、一人で抱えこむと親にゆとりがなくなってしまうと思います。親自身が、他人に弱さなどみせられないという価値観にしばられていたら、重さでつぶされてしまうと思います。聖書には次のように書いています。


目を覚まして感謝を込め、ひたすら祈りなさい。 同時にわたしたちのためにも祈ってください。

コロサイの信徒への手紙 4:2‭-‬3 新共同訳

~祈ってくださいとは、支えてくださいとか、困っているので力になってくださいとか、そういう意味もあると思います。自分の限界を認めるとき、新しい希望の世界は広がってきます。親自身が、弱さをみせるなんて恥ずかしいことだと思っているのは、それはなぜそうおもうのでしょうか。たとえば、

「強くないと価値がない」

「能力がないと他人に勝てない」

「自立してこそ人生。

家族の問題は自分たちだけで解決」

などの価値観にしばられているのではないでしょうか。それは同時に、いつも子どもに

「もっと強くなりなさい」

「もっと成長しなさい」と求めてしまい、目の前にいる子どもに

「いまのあなたで大好き」

「あなたでだいじょうぶだよ」

ということを忘れてしまっているのではないでしょうか。


「あなたがあなたである、ただそれだけの理由で、あなたはわたしにとってかけがえのない存在だ。もし何もできなくなっても、わたしはあなたを愛している」。それが、キリスト教の説く愛。まったく無条件の愛なのです。このような愛に出会ったとき、わたしたちの心は初めて本当の安らぎを得られる。わたしは、そう確信しています。

片柳弘史著『何を信じて生きるか』(PHP)

~理想の子どもにしようと願っても、子どもは疲れはて、その疲れは爆発して、暴力になってしまうと思います。私も母に学校にいけなくなってから暴力をしてしまいました。しかし、受け止められてから、ピタリととまりました。


ありのままの自分を認めてくれる人がこの世にいることに気づける。それは人にとって何よりもうれしい安心感であるはずです。

土井高徳著『思春期の子に、本当に手を焼いたときの処方箋33』(小学館)


子どもは受け止められないとわかると会話もしなくなるのではないでしょうか。部屋にひきこもってしまうと思います。

真面目な親ほど完璧を目指してしまうと思います。まずは親も、ゆっくり休める場所が必要だと思います。


こんな症状を抱えている時は

・幻聴がきこえる

子どもが、誰もいないのになにか聞こえたりするときは、辛さを抱えていると思います。私は専門家ではないのでわかりませんが、統合失調症などは幻聴や幻視があるときいたことがあります。専門の医師や、精神保健福祉センター、児童相談所に相談したらよいと思います。


・こだわりが強い

こだわりはあってよいと思います。しかし、変化に対応できない、自分のルールをみだされると爆発するなどありましたら、相談したらよいと思います。

家族だけでまずは病院に受診してもいいですし、ひきこもり地域支援センターの方に間にはいってもらったり、専門家のアドバイスを聞いたらよいと私は思います。


・外が怖い、視線や人が怖い

他人の視線が気になったり、対人関係が怖く、生活に支障がでる場合があります。社交不安障がい(外部サイト)といいます。専門家に相談して薬で治療をすると、楽になっていくと思います。

病院や、ひきこもり地域支援センター、精神保険福祉センターなどに相談し、専門家のアドバイスを聞いたらよいと思います。


「心の病気」がきちんとわかる本 症状・対処法・受診 』(amazon)は、こころの病気の種類を知ることができます。電子書籍か単行本か間違える時がありますので、ご確認お願いします。kindleのアプリがあればためし読みができます。


感謝

親は私が学校にいかなくなり色々教えてくれたと、感謝してくれました。私はとても嬉しかったのを覚えています。

不登校や、ひきこもり、家庭内暴力をとおして、確かにつらいこともあります。しかし、子供を通して親の価値観がかわり、子どもからたくさんのことを教えてくれると思います。

家族だけで抱えこまないで、新しい空気を家庭に入れてみたらいかがでしょうか。互いに助けあうとき、神さまは必ず助けてくださいます。

疲れたら親自身も神父(牧師)さんに相談したり、精神科やカウンセリングをうけてもいいし、家族会や民生委員の方に話すとホッとできる場所があると気持ちがホッとすると思います。


聖書には次のように約束されています。


あなたがたを襲った試練で、人間として耐えられないようなものはなかったはずです。神は真実な方です。あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、試練と共に、それに耐えられるよう、逃れる道をも備えていてくださいます。

コリントの信徒への手紙一 10:13 新共同訳


疲れた者、重荷を負う者は、

だれでもわたしのもとに来なさい。

休ませてあげよう。

マタイによる福音書 11:28 新共同訳


終わりに

・親の価値観をおしつけない

・子供の話を聞き、心を受け止める。

・ありのままの個性ある子供や、ありのままの自分を大切にする。

(子供のほしいものをなんでもかってあげるのは違います)

・親がホッとできる場所をもっておく

・家族だけで抱えこまないで、

自分たちの限界を認める。

・こころの症状がでていたら専門家に相談する

・時間はかかる。焦らない。

・神さまは一緒にいます。

だいじょうぶです。


また私の別サイトになりますが

こころの深呼吸』や

やさしさの贈り物』で、

子育てについて考えています。

 

Nobody's Perfectプログラムから転載します。

『はじめから一人前の親などいません。皆、まわりから助けを得ながら親になっていくのです。人間はみんな欠点を持っています。完璧な人間などどこもいません。完璧な親や完璧な子どもなど、存在しないのです。ですから大事なのは、可能な限りベストをつくすことです。そして必要なときには、周りから助けを借りることです。』


相談機関

ひきこもり地域支援センター


精神保健福祉センターとは?(LITALICO)

精神保健福祉センターの場所(厚労省)


児童相談所住所・電話番号一覧(こども家庭庁)

子どもだけではなく、大人でも子育てや困ったときのことも相談できます。


保健所


家族会


病院


カトリック教会やプロテスタント教会


お寺


民生委員

お住まいの市役所や役場にきけば、地域の担当を教えてくださいます。



こんな本もあります

山中 康裕著

親に暴力をふるう子どもの心がわかる本 (Amazon) 


佐々木正美著

抱きしめよう、わが子のぜんぶ: 思春期に向けて、いちばん大切なこと (Amazon)


桝田智彦(ますだともひこ)著

親から始まるひきこもり回復 心理学が導く奇跡を起こす5つのプロセス(Amazon)

著者について(Amazonより)

昭和49年、東京都世田谷生まれ。30歳を前に親友を不幸な形で亡くしたことに壮絶なショックを受けひきこもる。その後、「人の役に立つ仕事を! 」と猛勉強の末、30代から大学・大学院へ進学、臨床心理士資格を取得。

精神科クリニック勤務経験を経て現在、一般社団法人SCSカウンセリング研究所副代表、

東京都公立学校スクールカウンセラー、私立大学付属中学高校スクールカウンセラー、


一般社団法人SCSカウンセリング研究所

http://www.scsself.com/


石井志昂(いしい・しこう)著

学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること  (amazon) 

著者について(Amazon)より
1982年、東京都生まれ。中学2年生から不登校となりフリースクールに通う。19歳から日本で唯一の不登校の専門紙である「不登校新聞」のスタッフとなり、2006年から編集長。20年からは、代表理事も務める。これまで、不登校の子どもや若者、識者ら400人以上に取材をしている。「あさイチ」「逆転人生」(NHK)「news zero」(日本テレビ)「報道特集」(TBS)などメディア出演も多数。